2018年6月17日日曜日

歌と呼吸

歌を上手に歌う為には様々なことが同時にできないといけませんが、中でも呼吸は重要です。 声を安定させ、歌の表現力を高める為には、息を贅沢に使う必要があるからです。

歌で使う呼吸は、普段の呼吸とは違います。 普段の呼吸はどちらかと言えば浅い、軽い、余り意識せずに行なう呼吸です。 対して歌で使う呼吸は、深く、大きく、どちらかと言えば意識して行なう必要がある呼吸です。 便宜上普段の呼吸を「胸式呼吸」、歌の呼吸を「腹式呼吸」と呼ぶこともあります。


(c) .foto project

深く大きくする必要があるのは、扱える息の量を増やす為です。

呼吸で吸った空気は、肺に入ります。解剖学上肺は、右と左に分かれ、更にそれが「葉(よう)」と呼ばれる区画に分かれています。右が3葉左が2葉あり、計5つの葉は、上から上、中、下と呼ばれます。

肺の水平周囲は肋骨によって囲まれています。 上は鎖骨の付近から覗いています。 下は横隔膜という筋肉で押えられています。

イメージとしては、密封した鳥篭の中に5つの紙袋があって、そこから出ているパイプが鳥篭の外に繋がっている。鳥篭の底にはゴムの膜があり、下に引っ張ることができる。 そんな感じです。

アコーディオンのように、このゴムの膜を下に引っ張ると、パイプから外の空気が取り込まれ、紙袋が膨れ上がります。これが息を吸う状態。 下に引っ張ってたゴムの膜を放して、上に戻すと膨らんだ紙袋が潰れて中の空気がパイプから外に出ていきます。これが息を吐く状態。 アコーディオンなら引っ張ったものを押し込んでいく状態ですね。

歌の為に贅沢に息を使うには、先ず息の総量を増やさないとなりません。 所謂肺活量ですね。 これは息を吐き切った状態と息を取り込んだ状態の差が大きい程大きくなります。
この差を大きくして行くように訓練する訳です。
  • 先ずは思いっきり息を吐きだします。そこから鳥篭の緊張を解くと自然と肺に空気が取り込まれます。
  • 次に鳥篭下部の横隔膜の上下の差を大きくするようにします。下葉の方に今までより多くの空気が入るようになります。これができれば大抵の歌なら苦労無く歌えるようになります。
  • 更に肺活量が必要になったら、横隔膜付近を水平方向に動かす訓練をします。肋骨も少し広がるので、より多く下葉に空気が入り、肺活量が上がります。
  • もっと肺活量が必要になったら、鳥篭の上方、肩付近を動かす訓練をします。それで上葉の方に今までより多くの空気が入るようになります。
全ての葉に限界まで空気を取り込める人はそう多くはありませんが、これがちゃんと出来てる人が息を吸い切った状態は、本当に上半身の鳥篭部分が丸く膨らんで見えます。

いづれにせよこういった形で普段あまり使っていなかった胴体部分の内側の筋肉を自在に動かせるようになると、それに伴って様々な巡りが良くなります。 また肺活量が増えることで健康にも色々良いことが出てきます。

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